学び続ける教師

 プロフェッショナルとしての教師とは、単に教科内容に精通しているだけでも、ある固定的な教授法に精通しているだけでも十分ではなく、その時々の目的や状況に応じて、様々な方法を柔軟に選択したり組み合わせたり、また自ら作り上げていく、そのような力量をもった教師のことなのです。ではこうした「省察的実践家」であるために、教師は何を心がけておくべきでしょうか。子どもたちの学びを支え導く教師自身が、常に「学び続ける」こと。これが、省察的実践家としての教師に求められていることです。担当教科についてはもとより、他の教師のすぐれた実践から、また、自身の授業を公開し同僚教師たちの評価やアドバイスなどから学ぶこと。こうした「学び続ける」姿勢こそ、「省察的実践家」としての教師に求められているものといえるでしょう。
 ベテラン教師になればなるほど、自分の教育のやり方に固執してしまうということが得てして起こります。そしてこのことが、時に、時代の変化から教師を置き去りにしてしまいます。「昔は自分の授業は人気だったのに」「自分の学級経営は間違っていないはずなのに」、そしてついには、「最近の生徒は何かおかしい」といった言葉が、つい口をついて出てきてしまったりもします。しかし、省察的実践においえ重要なことは、何か一つの方法に固執するのではなく、その時々の状況に応じて、何が最善の行為であるかを考え、見出そうとすることです。そしてそれを可能にするために、自身が「学び続ける」教師であることです。そのためにも、今後特に教育行政は、教師が「学び続ける」ことをこれまで以上に支える役割が求められることになるでしょう。


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