多様な教師の力の協同

 本章では、これまで述べてきたことを踏まえて、これから求められる教師の役割、資質、そして専門性について論じていきたいと思います。ただ、その前に強調しておかなければならないのは、「これからの教師にはこのような資質が絶対に必要である」などど強固に主張するのは、非現実的であるばかりでなく、ある意味においては不健全でさえあるということです。広い視野から見れば、学校には多様なタイプの先生がいていいし、むしろそうあるべきだからです。いろんなタイプの教師と出会えれば、それだけ子どもたちにとっては自分を理解し、承認しようとしてくれる教師に出会える可能性が高まります。だから学校には、できるだけ多様なタイプの教師がいたほうがいい。子どもたちは、あの先生好きだとか、あの先生嫌いだとか、あの先生すごい、面白い、怖い、暗い、かっこいい、変人だとか、そうやっていろんなタイプの大人と出会って成長していくのです。
 そもそも、どんなに素晴らしい教師と言われる人でも、「あの先生苦手だ」と思っている生徒は必ずいます。逆に、誰からも嫌われていると思われている教師でも、一定の生徒たちからは好かれているものです。それゆえ私たちは、全ての教師に完璧を求めるのではなく、むしろ、多様な教師が互いに足りないところを補い合い、また得意なところを生かし合える、そのような学校を目指していく必要があります。重要なのは、多様な教師の力の「協同」なのです。

この考え方も、当園が行っている「チーム保育」の考え方に非常に似ています。最近では、クラス担任を廃止する学校もあり、病院の「チーム医療」のような、”それぞれの得意分野を活かす”ことがこれからの時代に必要なチームなんだと考えています。当園も本当に私を含めて個性的なスタッフが集まっています。おそらく、保護者から見える職員像は、半分にも満たないのかもしれません。是非色んな先生の色んな個性(癖?)を見つけてみて下さい。

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