グループ学習

 佐藤学氏は、「協同的な学び」の意義として、「一人残らず子どもの学ぶ権利を実現し、その学びの質を高めること」と、「民主主義の社会を準備すること」の2つをあげています。「協同的な学び」は、教師主導の空間を子どもたちへと開き、子どもたち同士が、あるいは教師や時に地域の人々などと共に、互いに助け合い教え合い学び合う、そのようなまさに「相互承認」の土台を築くことを目指しているのです。
 もっとも、「グループを組む」とか「グループ学習」とか聞くと、「うっ」と身構えてしまう人も多いのではないかと思います。「好きな人とグループ組んで」という教師の言葉が恐ろしかったという読者も、きっと大勢いることと思います。しかし、グループ分けがおそろしいのは、実は多くの場合、それがたまに行われるからなのです。もしも日常的・継続的に、グループを流動的に組むことが奨励されていたなら、その抵抗感はずいぶん下がるだろうと思います。グループが固定してしまうと、その中に入れずに苦しむ生徒が必ず出てしまいますが、日常的・継続的に学び合う機会を豊富に作ることができれば、むしろ子どもたちは自分なりの仕方で多様な人と関わっていく力を育んでいくものです。
 私の考えでは、こうした「学び合い」の経験を、幼いころからできるだけ日常的に積んでいくことが重要です。そうすれば、子どもたちは様々な人との関わり合い方、そして関わりの中で自分の特性を知り生かすということを、徐々に学んでいくことができるだろうからです。

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