三人寄れば文殊の知恵

霊長類における脳の進化は、集団生活に伴う社会関係の認知の必要性によって促されたと考えられています。脳は、小さいけれど大きな代謝を要する、コストのかかる器官です。ヒトで言えば、脳は体重の2%にすぎませんが、約20%のエネルギーを消費します。このような高コストの器官が進化するには、それだけの見返りが必要です。霊長類の種間比較研究によると、脳の新皮質のサイズと相関があった要因は、唯一、集団のグループの大きさ(サイズ)だけだったそうです。大きな群れで生活する霊長類にとっては、群れ内の順位関係や親和関係をきちんと理解し、他者をうまく社会的に操作することが、生存や繁殖のうえできわめて重要です。さらに、相手が何を欲し、何をしようとしているのかと心を読む試みは、相手も同じことをするので、手の内の読み合いになります。相手の行動を予測する能力は「ミラーニューロン」という神経細胞によるものですが、相手の行動への共感や予測が、人間の知性の進化をいっそう加速させてきたのです。(藤森平司著「保育の起源」より)


まさしく「三人寄れば文殊の知恵」だと言うことですね。


霊長類では群れの社会集団のサイズが脳の新皮質の比率と比例すると言われていますが、なかでも人の比率は最も大きく、安定した社会的つながりを維持できる集団成員もおよそ150名になると言われているそうです。


保育園も社会の一つなので、保育園の人数定員も120名~150名あたりが、社会として機能するのにちょうどいい人数なんだと思います。

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