白紙説

「赤ちゃんの脳は白紙の状態で生まれてくる」

いわゆる「白紙説」と呼ばれる理論は、大昔からの世界の常識でした。

しかし、「大人は完成された人間で、幼児は未発達で無垢な存在だ」というイメージや、「幼児のように理解する能力のない段階では教育は無意味だ」というような当時の常識は、最近の脳科学の研究成果によってはっきりと否定されています。


しかし、学問的に確立された知識や情報を教えることが教育であると思っている人がいまだに数多くいるのも事実です。



特に日本では、educationという言葉を「教育」と訳してしまったため、そう思っている人は多いでしょう。


education の本来の意味は「(本来持っているものを)引き出す」という意味




教育を「大人が教えること」と捉え、いわゆる早期教育を子どもに強いる幼稚園や保育園もまだまだあります。


赤ちゃんの脳は、すでに大人に近い大きさに達し、大人以上にその回路は複雑ですが、だからといって当然何をとっても大人よりできるわけではありません。

まだまだその道は整理されておらず、くねくねと曲がり、細く、通りにくいところもあります。


しかし、赤ちゃんの知的な活動は大人より活発で、想像力や学習能力は大人よりはるかに高いのです。


赤ちゃんは大人より多くの情報を収集し、自由に発想する能力は持っていますが、それはまだ概念や分類で整理されていません。


赤ちゃんは、科学者と同じように推理力を働かせ、豊かな想像力で常にトライ&エラーを繰り返しながら現実把握にいそしんでいると言われています。


つまり、赤ちゃんは色々な能力を身につけていくのではなく、経験を通して、不要な(使わない)能力を捨てていくのです。


そんなことが脳科学の知見から次々に明らかにされています。


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