日本人観

子どもに関する民俗学的研究といえば、一生を日本各地のフィールドワークに捧げた研究者である宮本常一がいます。宮本は「日本の子どもたち」という本のはしがきに、日本の素晴らしさをこのように書いています。
「古い時代から日本の国民は貧しかった。中世の終わり頃、日本を訪れたキリシタンのパードレたちもそのことを書いている。しかし人々はその貧しさに汚れまいとして、心だけは高く清いものにしようと努力した。戦国争乱の世の中でありつつ庶民は嘘をつかず、物を盗まないと異邦人たちは感嘆して書いている」
宮本のこの表現は、おそらく近代までに日本を訪れた外国人の日本人観の要約と言って良いでしょう。高く清い、物を盗まないというのは、他人に対する思いやりや協調性の表れと考えられます。そういう意味では、日本人はホモ・サピエンスの生存戦略の多くを残していたのだと言えるでしょう。(藤森平司著「保育の起源」より)


ロシアでのサッカーW杯でも賞賛された、日本人サポーターによるゴミ拾い。

このことも、宮本が言う日本人が本来持つ高く清い心を表しているのでしょう。

しかしその反面、震災や大規模水害の際に空き巣が発生したり、渋谷のハロウィン騒ぎではゴミが大量に放置されたり、本来の日本人の高く清い心が失われていると感じることも多くあります。




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