抑制

「脳の神経細胞で大人になっても育つのは、興奮を抑える機能である「抑制」だと言われています。
人間の想像力や創造力をつかさどっているのが脳の中では前方にある「前頭前野」であることはよく知られています。抑制という機能も、前頭前野の働きの一つで、その機能のために他の部分の情報を遮断し、体験・行動・思考の中から必要なものだけを取り出し、より複雑な思考・計画・行動をとることができるようになります。子どもはものごとに集中しない、あちらこちらキョロキョロする、すぐ飽きてしまい、次々に目移りしていくと言われますが、それは、子どもにはまだ色々な情報を抑制・整理する機能が働いていないということになります。この抑制は必要な力ではあるのですが、創造力や学習能力を自由に働かせるためには「逆効果」となるものです。人類にとっては突拍子もない発想も時には必要だということもあり、幼児期には抑制が効かないほうがいいのではないかということが「The Philosophical Baby」のはじめに書かれています。」(保育の起源より)




大人や保育者は、子どもが集中力していなかったり、あちらこちらキョロキョロしたりしていると、怒ったり、「気になる子ども」と捉えてしまうことがありますが、その姿は子どもにとって当たり前のことなんですね。そして、それを大人が注意してしまうと、子どもの時期に本来育つ創造力や学習能力が育たなくなるということです。


子ども本来の「子どもらしさ」を大切に、それをゆったりとした気持ちで大人が見守る子育てが必要であることが、この文章を読んでいても理解できます。

コメント

人気の投稿