反転授業

 では、今後私たちは、具体的にどのように「学びの個別化」を実現させていけばよいのでしょうか?実りある学びのためには、実は「個別化」だけでは十分ではありません。私たちはこれに、次章で詳論する「協同化」を融合する必要があるのです。理由は大きく二つあります。一つは、個別の学習だけではどうしても行き詰まったり伸び悩んだりすることがありますが、そんな時、他の生徒たちとの学び合いを通して、ぐんと理解が深まり成長できる可能性が高まること。もう一つは、教師一人で何十人もの個別学習の面倒を見るのは困難ですが、生徒同士の「教え合い」「学び合い」の機会をここに組み込むことで、個別的な学びの成果がぐっと深まることです。したがって、ここでの教師の役割は、時に一斉授業をすることはあったとしても、基本的には、生徒の自学自習のサポートと実りある「協同的な学び」の整備・促進ということになります。
 この学びの「個別化」と「協同化」の融合として、近年注目を集めているのが「反転授業」という授業の方法です。これまでは、学校である学習内容を一斉に教えられ、それについての宿題を家で個別にやってくる、というスタイルが一般的でしたが、反転授業はこれを”反転”させます。具体的には、あらかじめ家で短い授業動画を個別で見、学校ではその内容について協同学習を行うという学びのスタイルです。まさに、PC・タブレット端末の普及のおかげで可能になった授業方法ということができるでしょう。

コメント

人気の投稿